野球のユニフォームにおけるパンツの着こなしの1つに「クラシックスタイル(オールドスタイル)」というものがあります。
今回は、クラシックスタイルの基本情報や穿き方・着方、選手などをご紹介します。
クラシックスタイル(オールドスタイル)とは?
クラシックスタイル(オールドスタイル)とは、野球のユニフォームにおけるパンツの履き方の1つです。
パンツの裾をソックスで折り返して固定しひざ下で止めるのが着こなし方です。後ほど、「クラシックスタイルの履き方」をご紹介します。
「クラシックスタイル」「オールドスタイル」「レギュラーショートスタイル」などと呼ばれます。このほかにも以下のような種類があります。
- ショートスタイル
- ロングスタイル
- ストレートスタイル
- フレアスタイル
パンツの履き方1つで、様々な着こなしがあります。
クラシックスタイル(オールドスタイル)の起源
クラシックスタイルが生まれたのは、ベースボールが生まれた時代にまでさかのぼります。
当時は、スポーツウェアとして扱われていたニッカポッカを着用しながら野球をしていた「ニッカ・ボッカ―ズ」というチームがあり、そのチームのユニフォームスタイルが「クラシックスタイル(オールドスタイル)」の起源とされています。
ちなみに「ニッカポッカ」という言葉は、チーム「ニッカボッカーズ」に由来しています。
さらに詳しい起源のお話
「ニッカポッカ」を穿きながら野球をしていた人は、次第にチームを作って試合をするようになりました。
当時のユニフォームは種類が少なく、どのユニフォームも似た服装であったため、敵なのか見方なのか判別が簡単ではありませんでした。
そこで、敵と味方の判別を分かりやすくする方法として、足元からニッカポッカの裾までの間の「ソックス」の部分の色をチームごとに変えて、敵か味方かの判別をつけるようにしました。
このような、「靴下の色を変えてチームを見分けやすくする」といった工夫は今も受け継がれています。
「ホワイトソックス」や「レッドソックス」などのように、チーム名にソックスのカラーが含まれているのも、昔の名残といえます。
クラシックスタイルの人気はイチローが影響している?
プロ野球選手のユニフォームの着こなしといえば、パンツの裾でくるぶしをスッポリ隠して穿く(ロング)スタイルが主流ですが、「WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)」でイチロー選手が「クラシックスタイル」でプレイしたことをきっかけに、スタンダードなユニフォームスタイルとして確立されてきています。
チーム内のパンツスタイルはみんな自由でいい
ユニフォームとは、敵と味方の判別をつけるための衣類です。そのため、各チームは統一されたユニフォームを着ることが規則として決められています。
ですが面白いのが、パンツに関しては特に規定は無く、各選手がユニフォームスタイルを決めることができます。
具体的には、「パンツの裾の位置を変える」といったことができます。
それこそ、今主流となっている「ロングスタイル(くるぶしをスッポリ隠す)」を始めたのは落合博満氏とされています。
落合氏がロングスタイルを始める前は、他の選手はパンツの裾を上げていました。
パンツスタイルを変える理由
「パンツスタイル(裾の位置)を変えることに意味があるのか?」と思った方もいるかもしれません。
考えられるのは「機能性」という点なのですが、もし、「走りやすい」という機能性が備わっているパンツスタイルがあれば、みんなそのスタイルにするはずです。
ですが、パンツスタイルの種類はさまざまなため、機能性で選んでいるということも考えづらいです。
次に考えられるのは「感覚」になります。「なんか気に入るから」「なんか動きやすいと感じるから」という非常にあいまいな理由で選ぶ人もいます。
現にイチロー選手は「気分転換で裾を上げて練習してみた。するとこうなんか軽いというか動きが楽になったようで、素早く動けるような気がした。今頃になってこのことに気づくなんて恥ずかしいのだが、このスタイルの方が野球をする機能でいえばいいと感じた。」
という旨を発言されていました。
クラシックスタイル(オールドスタイル)のはき方
ここから先は、クラシックスタイルのはき方を解説していきます。
手順1「ソックスをはく」
まずは最初に、ソックス(アンダーソックス)をはいてください。ソックスがひざ上までないと、クラシックスタイルができないので注意しましょう。
また、ソックスを伸ばしすぎるとビヨビヨになってしまうので、無理に伸ばさないでください。
手順2「ストッキングを重ねて穿く」(しなくてもOK)
次に、野球用のストッキングをソックスの上に重ねて穿いてください。
中にはしない人もいますが、怪我防止の役割があるうえに、ストッキングがないと公式試合に出られないので、着用をおすすめします。
また、野球用のストッキングには前と後ろがあります。2つの穴を比べたときに、穴が小さいほうが前で、穴が大きい方が後ろなので注意してください。
手順3「パンツを裏返しにして逆から穿く」
次に、パンツを裏返しにして逆から足を入れてください。
パンツの裾は細くてひざ下までしか進まないと思いますが、それでOKです。
ちなみに、パンツを裏返したときは「チャック」が天井をむくようにしてください。
手順4「パンツの裾をソックスバンドで止める」
先ほどひざ下で止めたパンツの裾を、ソックスバンドで止めてください。
あまりきつく締めすぎると、血が止まったり痕が付いたりするので軽く止めてください。
手順5「ソックスバンドを隠すように、ソックスを折り曲げる」
さきほど止めたソックスバンドを覆い隠すように、はみ出たソックスや野球用ストッキングを折り曲げてください。
この時、はみ出たソックスやアンダーストッキングが短すぎても長すぎてもいけないので、購入するときは長さに注意してください。
手順6「パンツを裏返して穿いて完成」
最後に、ずっと裏返していたパンツを元に戻して完成です。
クラシックパンツの履き方【動画あり】
クラシックスタイル(オールドスタイル)の選手
まだ主流にはなっていないですが、クラシックスタイルでユニフォームを着こなしている野球選手をまとめてみたのでご紹介します。
- イチロー(シアトル・マリナーズ)
- 京田陽太(中日ドラゴンズ)
- 菊池涼介(広島東洋カープ)
- 谷繁元信(中日ドラゴンズ)
- 赤松直人(広島東洋カープ)
- 鳥谷敬(阪神タイガース)
- 多田野数人(日本ハムファイターズ→石川ミリオンスターズ)
- 鈴木尚宏(読売ジャイアンツ)
- トニ・ブランコ(オリックス・バファローズ)
- 石井一成(北海道日本ハムファイターズ)
- 内川聖一(福岡ソフトバンクホークス)
- 吉川尚樹(読売ジャイアンツ)
- 大田泰示(北海道日本ハムファイターズ)
- 柳田悠岐(福岡ソフトバンクホークス)
- 初芝清(千葉ロッテマリーンズ)
まとめ
今回は「クラシックスタイル(オールドスタイル)」についてご紹介しました。
「名前は知らなかったけど、実は自分はクラシックスタイルだった!」といったこともあるので、他のスタイルも気になります。
自分に最適なユニフォームスタイルを見つけて野球を楽しみましょう。